過去にKV-LH20VによるIAI製のPCONについての記事をいくつか紹介しました。今回はJOG(ジョグ:以下JOG)運転/インチング(INCHING:以下インチング)運転について紹介します。
この記事では、JOG運転のみ紹介します。
JOG/インチング
まず、【JOG/インチング運転】について紹介します。
ここでのJOG運転は、何かトリガーを起動している(タッチパネルの前進ボタンを押し続けている)時に軸が移動します。この時、移動中にそのトリガーがOFFすると軸は停止します。(押した分だけ進むって感じ)ただこの時は、トリガーが起動中のみ動作なので、過去紹介した位置決め制御とは異なります。
実際には、主に手動(各個)動作でJOG運転を設計することが多いです。基本的には装置調整時に使用する目的でラダーに盛り込んでいます(私の場合はです)。また、自動運転で、トレイや製品マガジンを上下搬送する時にJOG運転を使用して搬送したこと(センサーが検知するまで動作する)があります。
インチング運転は、予め設定した移動量のみ、軸が移動します(別記事にて紹介します)。基本的には、位置決め制御と同じで、指定したポジションに到達したら停止するという考えです。現場よく使用する設定値としては、0.01mmや0.05mm刻みで移動するように設定しておきます。搬送などシビアなポジションを設定する時にインチングを使用してポジション決めを行います。
JOG
JOG動作
【JOG】運転について制御方法を紹介します。基本的な手動(各個)モードでの動作ついて紹介します。
とても単純な回路となってしましたが、これで動作は可能となります。後、ここに機械インターロック(シリンダーのLS端など)などを入れればよくなると思います。ここにソフトのインターロックを入れてみます。
このインターロックは、軸の現在位置がストロークの上限値/下限値を超えていないかを確認しています。上限値/下限値を逸脱すると、出力が遮断されますので動作しません。(軸のストロークを500.00mmと想定しますので、【50000】と定数が入力されています。)
JOG 速度
まだ、ここに【JOG速度】の回路を追加する必要があります。基本的に私自身、JOG速度を2パターン用意しています。【低速モード】【高速モード】です。
速度は低速時を100.00mm/sとし、高速時は200.00mm/sとしましたので、それぞれ起動した時に、【10000】、【20000】がJOG速度のDM11250に転送するような形となっています。(※:回路上の【/】は反転を意味しています。なので、この回路ではB03がONした時、高速モードの数値がDM11250に転送する形となっています。)
さいごに
JOG運転は、基本的に動作トリガーを入れている間のみ動作する。
JOG運転の速度については、低速/高速モードなどを盛り込むことで、装置の調整幅を増やすことが出来る。