こんにちわ。雑魚です。今回は前回の記事に続き、KEYENCEのKV-LH20VとIAI(アイエイアイ)のPCONの制御について紹介していきます。※紹介するラダー図等は、私自身の組み方であります。この記事を参考にして組んでも良いのですが、まずは、ご自身でKV-LH20VとPCONのマニュアルを熟読しましょう。
過去にKV-LH20VとPCONの配線と設定について紹介しました。
今回は、位置決め制御について紹介します。
KV-LH20V 設定
KV-STUDIO設定
今回は、CPUをKV-5500とし、KV-LH20Vでは、PCONを1軸のみに設定しました。
まずは、ユニットエディタ(Ctrl + U)を開いて、KV-LH20Vを選択しましょう。(今回は1軸のみとしております。)
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”ユニットデバイス登録”を押して、コメントを登録したい対象機器を選択します。”登録”を押すとサンプルコメントが自動的に各アドレスに登録されます。
ラダー図
KV-LH20V 動作許可要求
まずは、PCONを制御する前に、KV-LH20Vの動作許可をONさせる必要があります。
動作可能かどうか
次に、PCONが動作可能状態であることを判断するためのフラグを作成します。基本的に、このフラグがOFF(条件が外れる)になると、動作が行うことが出来ないようにしています。条件については下図を参照して下さい。
信号のインターロック
次に、位置決め制御をするための、インターロック(IL)フラグを作成します。このフラグでは、位置決め動作前に、JOG/インチング動作中、移動中信号がOFF、原点復帰が完了済みである、原点復帰中など他動作系信号を起動していないかを確認します。この信号が位置決め動作前にONしている場合は、位置決め動作が行えないようにしています。
インポジションの確認
では、次にインポジション(ZONE範囲)の確認を行います。これは、位置決め要求をした後、どのポジションにいるかを判定するためのフラグとなります。このフラグは、自動運転回路や原点復帰回路にてとても重要なフラグとなります。(PCON以外の機器でも、下図のように現在位置がどのポジションであるかを確認するために作成しています。)
下図のインポジションの範囲を”5″(0.05mm)としていますが、装置調整時に決めるのが良いかと思います。又、実務では、原点以外のポジションは可変できるようにDMやZFなどを使用して組むことが多いです。
少し話がずれますが、品種登録にてポジションを設定する時は、軸のストロークの最大/最小値や速度の最大/最小値を設定して入力制限などを行いましょう(設計時にカタログを確認しておきましょう)。軸の範囲外の数値を入力して転送するとPCON側が異常状態となります。
位置決め制御開始
次に、位置決め動作開始への動作要求フラグを作成します。このフラグがONした時に、パラメータにポジションや速度などのデータを転送し、その後位置決め動作を行います。
基本的には、手動回路のタッチパネルのボタンや、自動運転、原点復帰の動作のタイミングを赤枠に入力すると良いです。
下図の回路では、軸レディを見て回路を遮断していますが、CC-LINKやEIPには軸レディがないので、インポジションのフラグで遮断するようにしています。
おわりに
今回は、KV-LH20VによるPCONの位置決め制御について紹介しました。次回はJOGやインチングについて紹介していきます。